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提案要旨

 

障害をもつ保護者への支援

 

奈良平典子(大阪府保育所保健連絡協議会長)

 

保育所には、家庭での保育に欠ける子ども達が入所していますが、その保育に欠ける状況の中には、保護者の就労だけでなく疾病や障害等も含まれています。保育所における障害児との統合保育は、長い歴史の中で定着し、今では障害をもつ子と健常児とが共に育ちあう姿は、当然のこととしてとらえられています。それと同じく障害をもつ保護者に対しても、正しい理解と障害に応じた対応は不可欠です。聴覚や、視覚の障害、そして肢体不自由者など障害の種類はさまざまですが、ハンディキャップを持っているということで考えるなら、病気で療養中の保護者もふくまれるかも知れません。
子育てという大切な仕事を、家庭と共同で行う保育所にあっては、単に保護者の持つ障害を知ることだけではなくて、障害を持って生きる人の生活そのものを知ることが重要です。必要に応じた行政的な支援はどこまで行われているのか、国や各自治体の実情も把握しなければなりません。その上で各家庭ごとに、今子どもを育てる上でどのような。ことが問題なのか、必要なのかを知り、一緒に考えていく姿勢が大切だと思います。基本的には、互いのコミュニケーションのとり方(例えば手話や点字)の習得なども必要でしょう。また、とかく同じ障害をもつ者同士寄り添いがちな人達に、保育者が仲立ちとなって、共に子育てをする仲間として、他の保護者との人間関係の広がりを作りだすことなども保育所のおおきな役割だと考えています。

 

 

 

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